この記事を読んで頂くと、
- スパイン調整とは何か
- スパイン調整のやり方
- スパイン調整の効果
この3つが分かります。
ドライバーが左右に曲がる人は、「スパイン調整」を知っておいて損はないと思います。
僕の体験談をもとに説明します。しばし、お付き合いください。
Contents
スパイン調整の「スパイン」とは何か

スパインを直訳すると、背骨です。何の背骨かというと、シャフトの背骨です。
クラブを製造するときに、出来てしまいます。
下図がシャフトの断面図とします。
赤い印の、硬い部分がスパインです。
カーボンシャフトはもちろん、全体か硬いので一見すると無さそうなスチールシャフトにも、スパインが存在します。
スパインを調整とは
スパイン調整とは、スパインの場所を見つけ出して揃えることです。
スパインの場所って、実はバラバラ
職人さんが気を利かせて、スパインの場所を同じ方向に揃えてくれてるわけではありません。なぜなら、多大なコストが発生するからです。
市販のクラブはコスト面を考え、スパインの位置を把握しないまま、ヘッドとグリップを装着して作ります。
そのため、下図のように、バラバラに仕上がります。
たとえ、セットで購入したとしてもバラバラです。
なので、スパインの位置を確認して、
上図のように、揃えることをスパイン調整といいます。
スパイン調整のやり方
やり方は、
- 手順①:ヘッドとグリップを外す
- 手順②:シャフトを回す
- 手順③:ヘッドとグリップを付ける
上記のとおりです。
分解するので、わりと大掛かりな作業になります。
手順②のシャフトを回すところを詳しく説明します。
スパインを探す
シャフトのスパインの位置を探します。
シャフトだけの状態にして、専用の機械に乗せて固定します。
そして、上から一定の力を加えます。
すると、シャフトは曲がるので、曲がり幅を測定していきます。
そのポイントがスパインです。
スパインを真下にもってくる
スパインの位置がわかれば、スパインを真下(6時方向)にもってきて、ヘッドとグリップを装着すれば完了です。
みなさん独自の考えをもっているので、話を聞いて納得をした上で決めてみてください。
スパイン調整のやり方は、シャフトを「外して、回して、装着する」だけなので、とてもシンプルなのですが、職人技がないと出来ません。
なぜスパインを真下にするのか?
真下にする理由は、
- 理由①:トゥダウン
- 理由②:ヘッドの振動
上記の2つが関係しています。
理由①:トゥダウン
トゥダウンとは、シャフトがしなり、ヘッドが下に垂れる現象です。

上図のように、インパクトのとき、ヘッドが下がります。
そこで、スパインを真下に持ってきて、ヘッドを支える役割をさせます。
すると、下がり幅が小さくなり、ミート率低下を防いでくれます。
理由②:ヘッドの振動
クラブを固定して、ヘッドを真下に弾いたときに、上下に振動するのが理想とされています。
なぜなら、軸がブレにくいので、ミート率が安定するからです。
反対に、ヘッドが左右にも振れて、ヘッドが円を描くこともあります。
この動きは、軸がブレている証拠なので、ミート率が不安定になってしまいます。
ほとんどのクラブは左右にも振れて、ヘッドは円を描く動きになるんだ。
先ほどのトゥダウンのときに、ヘッドが大きく振れるからです。
なので、ヘッドが真下に振動することが理想なのです。
ヘッドの振動を確認するには
シャフトとグリップを専用の台に固定させた状態で、ヘッドを真下に弾きます。
すると、ビヨンビヨンとヘッドが上下に揺れます。
このとき、ヘッドが地面と垂直に動けばOK。
ヘッドが真下にトゥダウンしている証拠になります。
例えば、スパインが4時の方向にあると、どうなると思いますか?
アンバランスですよね?
これでは、ヘッドは円を描くように揺れます。
スパインが、12時もしくは6時の方向にあるとどう思いますか?
ヘッドは真下に揺れます。
※実際に弾くところを見せてもらいました。一目瞭然です。
- スパイン調整している=上下に直進的に動く
- スパイン調整していない=グネグネと円を描く
その差は歴然でした。
繰り返しになりますが、スパインを真下に持ってくると、
- トゥダウンが緩和される
- ヘッドの横ブレがなくなる
このため、インパクトが安定します。
スパイン調整の効果
さて、ここで問題なのが、効果があるのか?ないのか?
スパイン調整を試してみました
そこで検証。ドライバーのシャフトをスパイン調整しました。
厳密にいうと、新しいシャフトに買い替えて、装着時にスパイン調整を施しました。
曲がり幅が少なくなる
以前は、ドライバーのタイミングが少しズレただけで、左右に曲がっていました。
シャフトを変えてから1番の驚きは、フックが出にくくなったこと。思いっきりインサイトに振り抜いてもフックが出にくいのです。
左右に曲がると、フェアウェイのど真ん中を狙うしかなくて難しくなります。
ですが、まっすぐかスライスに絞った攻め方が出来るので、やや楽になりました。
スパイン調整をするか悩むあなたに

究極の精度が求めらるプロの世界では主流です。
各クラブメーカーの専属スタッフがいて、スイングをデータ化して最適な調整を施しています。それぐらいシビアな世界だからです。
一般的には、
「クラブをいじるのはプロがやること。自分には関係ない」と思うかもしれません。
「プロじゃないんだから、そこまでしなくても」と言う人が周りにいるかもしれません。
プロのような環境ではなくても、我々なりにベストを尽くしています。できる範囲で頑張っているわけです。
上達したい気持ちはプロ並みにあります。
アマチュアだからこそ、道具の恩恵を受けるべき
もっと道具に頼っても良いと思います。
「ゴルフは道具ではない、腕だよ」という考えは、半分正解で、半分間違いです。
ゴルフは道具と腕、両方に磨きをかけて上達するものだと思います。
ゴルフの腕は、道具でカバーすることも出来るからです。
スパイン調整をしていない、シングルプレーヤーさんをたくさん知っています。
上達には、日々の練習がいちばんであり、上達する要素は他にもたくさんあるからです。
「そんなこと言ったって、練習してるよ。でも、伸び悩んでいる」
「もっと上を目指したいんだ」
という人は、一つの手段として試す価値はあると思います。
手始めに、ドライバーのシャフトから
アイアンなどのスチールシャフトは、元々硬いためトゥダウンの度合いも少なく、安定しています。
スパイン調整を施しても、実感できないかもしれません。
全てのクラブを試すのは、大掛かりになり、費用もかかります。なので、試しにドライバーだけトライするのも有りです。
さいごに

まとめます。
- スパインとは、シャフトの硬い部分
- シャフトを回して、スパインを真下に持ってくる
- トゥダウンが減り、ミート率安定
- ヘッドの横ブレが減り、ミート率安定
- カーボンシャフトが実感しやすい
といった感じです。
クラブを買ってから、何も調整してないのは勿体ない話です。
もし、ドライバーで悩み、買い替えようか検討中の人は、スパイン調整を考えてみてどうですか?
少しお金はかかりますが、新しいドライバーを買うよりかは、断然お得です。
また、ドライバーが安定している人の中には、運良くスパインが適切な位置についている場合も考えられます。
「自分の使っているクラブはどうなんだ?」と気になる人は、『ヘッドを弾く』を試されてはどうですか?
左右に揺れるか揺れないかで判断可能です。
ということで、僕の解釈でスパイン調整を説明しました。やる・やらないは、ご自身の自由です。
この記事を参考に、選択の幅を広げてもらえれば幸いです。
『あなたのゴルフがうまくいくことを願っています』
以上、もっぴーでした。